2025年6月17日






2025年6月17日、神戸市中央区にある神戸市立総合福祉センターにて、
神戸市精神障がい者家族会連合会(通称:神家連)主催の福祉勉強会に参加しました。


この日は、行政と専門職による講義を通じて、
精神障がいを持つご家族の終活・相続・死後事務に関する課題と支援の可能性を学ぶ貴重な機会となりました。


🏛 神戸市の福祉支援体制を“現場目線”で学ぶ
はじめに、神戸市福祉局障害者支援課より、
市が提供している各種相談支援窓口の全体像について丁寧な説明がありました。


主な窓口は以下の通りです:


窓口名主な役割
各区役所保健福祉部障害者手帳・障害支援区分の認定など
障害者相談支援センター(市内19ヶ所)地域生活を希望する方の相談受付
精神保健福祉センター依存症・思春期・うつ・就労などの相談
安心サポートセンター成年後見・権利擁護に関する相談
市成年後見支援センター成年後見制度の活用支援
発達障害者相談窓口15歳以上の発達障がいに関する相談
特定相談支援事業所サービス利用計画などの作成支援

🟡 特に注目すべきは「安心サポートセンター」や「成年後見支援センター」など、
判断能力が不十分な方に対する法的支援の仕組みが整備されつつある点でした。


しかし現場では、「制度はあるが、どこに相談すればよいか分からない」という“支援の空白”が依然として多く存在しています。


👨‍⚖ 松尾先生による「遺言・相続・信託」の実務セミナー
続いて、行政書士法人北摂パートナーズの松尾武将先生より、
「遺言・相続手続きについて」をテーマに講義がありました。


🔍 話題になったポイントの一部:


  1. 遺言書の重要性
    「遺言がない場合、障がいのある子どもが不利益を被ることもある」


「特別障害者扶養信託」などを活用することで、親亡き後の生活資金を確保できる


  1. 相続税の課税と障がい者控除
    障がい者控除や保険信託を活用することで、税負担を軽減しつつ生活保障を確保できる


ご家族の負担軽減には、制度の理解と“準備のタイミング”が不可欠


🤝 私たち「なごみ終活」の立場から
今回の勉強会を通じて改めて感じたことは、
行政制度と民間支援の“間(はざま)”でこぼれ落ちる声がまだ多くあるという現実です。


たとえば――


・成年後見ではカバーできない「死後のこと」


・身元保証がなければ入居できない施設


・親が亡くなった後、障がいを持つ子どもが手続きをできない不安


こうした課題に対して、私たちは今後、神戸市においても対応していきます。